「君の名は。」は一見ありきたりな男女入れ替え物語のようですが、実は話の筋書きが非常に複雑で、時系列を終えていないとよくわからないという感想を持つ人も多いようです。
一方で、だからこそ作品中の背景や散りばめられた伏線は数知れず、見返してみると新たな発見も多く、面白い作品になっているとも言えます。
今回は、「君の名は。」の分かりにくい部分について解説を書いてみました。
3年前の三葉と現在の瀧が入れ替わっている
「君の名は。」はお話の時系列が分かりにくいお話です。
まずはそこを整理しないと謎が見えてきません。
大前提として、三葉と瀧は同じ時代に入れ替わっているのではありません。
3年前の三葉と現在の瀧が入れ替わっているのです。
なので、三葉サイドから見た話と、瀧サイドから見た話はちょっと違ってきます。
【三葉サイドから見た流れ 】
①三葉と瀧が入れ替わる
②三葉が瀧に会いに行くが、瀧は三葉のことを知らない。
瀧にリボンを渡す。
③岐阜に帰り髪を切る。
彗星が落ちてきて死亡。
【瀧サイドから見た流れ】
①三葉と瀧が入れ替わる
②三葉と入れ替わらなくなる(三葉が死んでいるから)
※入れ替わらなく理由はもう一つあります※
③岐阜に三葉に会いに行く
④岐阜で彗星落下を知る
⑤宮水家のご神体で三葉の口噛み酒を飲み、入れ替わる
⑥宮水家のご神体で三葉と出会う。
三葉にリボンを渡す。
⇒三葉は隕石落下の被害を免れ生き延びる
入れ替わりの謎
本作において三葉と瀧の入れ替わりは物語を進めるうえで重要な役割を果たしていますが、なぜ彼らは入れ替わったのでしょうか。
この点は本作において明確な決まりがあります。
「三葉と瀧がお互いに共通する「結び」を所持していること」です。
瀧が三葉のリボンを持っているから
目立たないですが、実は瀧は物語の最初から(三葉との入れ替わりではないシーンの時)三葉のリボンを手首に巻いています。
このリボンは3年前に瀧が三葉からもらったもので、このリボンを三葉と瀧が互いに保有していることで2人は入れ替わりをするようになります。
なので三葉が瀧にリボンを渡してしまうと、(三葉が死んでしまったからというのもありますが)2人は入れ替わりが出来なくなります。
これは同様に、瀧が三葉にリボンを返す際にも起こります。
瀧が三葉の口噛み酒を飲んだから
瀧は口噛み酒の話を三葉のおばあちゃんから聞いており、三葉の一部である口噛み酒を飲めば三葉とまた入れ替われるのではないかと思い、口噛み酒を飲みます。
この時点で三葉の一部を瀧が所持したことになり、瀧と三葉は再び入れ替わります。
名前を忘れる理由
物語の最終盤で瀧と三葉は再会し、瀧は三葉のリボンを返します。
瀧が三葉のリボンを返したことにより瀧と三葉を結びつけるものはなくなり、瀧は三葉の名前を忘れてしまうことになります。
口噛み酒の効力は「消化」されることにより無くなってしまったものと思われます。
物語の背景を理解するには
おばあちゃんと宮水神社のご神体へお参りするシーンが物語の中盤で描かれますが、このシーンはおもに「君の名は。」の世界観や背景を理解するのに大事なシーンとなっています。
このシーンのおばあちゃんの言葉を理解し、覚えていると、物語の整合性がよくわかるのではないでしょうか。
私も今回ブログを書くにあたって見返してみて、「あ、これが伏線なんだ」みたいな新たな発見はたくさんありました。
ぜひ今度見るときはこの辺を思い出してみてください。