「ふしぎの海のナディア」は1990年にNHKで放送されたアニメです。
「エヴァンゲリオン」「シン・ゴジラ」で有名な庵野秀明さんが監督を務めていて、「エヴァンゲリオン」ほど有名ではないものの、当時のアニメの常識を打ち破る名作として、30年経った現在でもファンの多い作品です。
私も子供の頃見て、未だに忘れられない名作アニメです。
最近Amazonプライム・ビデオでも見られるようになったので、久しぶりに全話通して鑑賞。
涙なしでは見られませんでした。
というわけで今回は、物語の重要人物の一人で、「ふしぎの海のナディア」の世界に混沌ドロドロとした裏設定を持ち込んだ真犯人、エレクトラについて語りたいと思います。
副長エレクトラ
ノーチラス号の船長は渋い中年のおじ様「ネモ」船長ですが、副長は白人のお姉さま「エレクトラ」さん。
理知的で優しい口調で話す美人のお姉さんです。
ジャンとナディアがノーチラス号に乗船した時、「ネモ」はラテン語で「何者でもない人」という意味だとジャンが言うと、エレクトラさんは「そうね、ほんとうは別の名前があるのだけれども」と答えます。
ジャンがさらに、「エレクトラ」さんにも他に名前があるんですか?と聞くと、「エレクトラ」さんは笑って答えませんが、そりゃあ言えるわけないよね。
子供の頃は全く分かんなかったけど、こんなところにも裏設定が分かるようにわざと会話をぶち込んでるんですよね。
「ネモ」に隠された意味があるのと同様、「エレクトラ」にも隠された意味があります。
「エレクトラ」とは「エレクトラコンプレックス」の意味で、娘が父親を好きになってしまうこと(ファザコンのキツイ方)。
「ネモ」と「エレクトラ」さんは恋人関係なんですね。
最終話でエレクトラさんがネモ船長の子供を身ごもっていることが判明します。
後にガイナックスのインタビューでも伝えられていますけれども、ネモ船長とエレクトラさんは「できてる」わけですね。
女の敵エレクトラ
エレクトラさんはその美貌でモテモテかと思いきや、案外主人公のジャンやハンソン以外は懐かないんですよね。
他の乗員の男どもは看護婦のイコリーナのファンクラブの会員でそっちを追いかけてる。
エレクトラがネモ船長とデキてることを知っているからか、エレクトラのきつめな性格からか・・。
エレクトラは、ナディアやグランディス、マリーなど女性陣にはあまり良い感情を持たれていません。
ナディアはジャンがエレクトラさんを慕っていることに対する嫉妬、グランディスは共にネモ船長が好きな恋敵として、そしてマリーはエレクトラのことを怖いおばさんだと思っている。
ましてやナディアにとってはエレクトラは父の後妻にもなっちゃいますから、もうお互い口をきくことはないんでしょうね。
裏切りのエレクトラ
エレクトラさんの生い立ちとネモ船長への気持ちが語られるのは、第22話「裏切りのエレクトラ」です。
エレクトラはネモ船長への愛憎をぶちまけます。
これ聞いてた時、ナディアはどう思ってたんでしょうね。
エレクトラさんはタルテソス王国の市民として暮らしていましたが、ガーゴイルのクーデターが勃発し、ガーゴイルの作ったバベルの塔の暴発により、タルテソス王国が壊滅した際に、父母と弟を失っています。
その後ネモ一行に助けられ、やがて育ての親であるネモに愛情を抱くようになります。
しかしある時、バベルの塔の暴発の直接の原因はネモであると知り、父母弟の仇としてネモに憎しみを抱くようになります。
が、ネモがバベルの塔を暴発させたのはガーゴイルから世界を守るためだからと言い聞かせ、ネモ船長に付き従っていましたが、ネモ船長の娘のナディアがノーチラス号に乗船したことによって、かつての非情さを失ってしまったネモ船長に怒りを爆発させ、ネモ船長に銃口を向けます。
「なぜあなたはひとりの父親に戻ってしまったの!」
「なぜ私が愛したひとりの男のままでいてくれなかったの!」
これ、子供向けのアニメで言わせていいセリフじゃないですよね。
いやいや子供達の大半が意味わからんでしょ。
子供の頃はよく意味が分からなかったけど、大人になったら分かるようになりましたが、「ふしぎの海のナディア」って、なかなか設定きつめなお話ですよね。
だから今でも人気なんでしょうけど。
以上「ふしぎの海のナディア 裏切りのエレクトラの衝撃」でした。
こんな、家に居ながらにして、童心?にもどってネモ船長とエレクトラさんの愛憎あふれる世界の海に大冒険に出られる「ふしぎの海のナディア」は「Amazonプライム・ビデオ」加入で今無料で見られます。
興味をもったら是非一度見てみてください。