老後2,000万円問題もあいまって、ウェルスナビというサービスに注目が集まっています。
最近CMもはじまりましたね。
自分も興味を持って調べてみたのですが、ウェルスナビはほんとクソみたいな残念ながら自分には御縁のないサービスでした。
なぜウェルスナビというサービスは不要と言い切れるのか?
一証券アナリストとしての見解を述べたいと思います。
ウェルスナビのサービス内容は?
ウェルスナビが不要だと思う理由は、ウェルスナビのサービス内容は既存の無料サービスの寄せ集めと変わらないからです。自分が今回調べてみたウェルスナビのサービス内容は以下のとおりです。
目標金額とリスク許容度の設定【無料】
ウェルスナビでは、6つの質問に答えるだけで、リスク許容度を診断してくれます。
またシュミレーションを出してくれて達成の可能性を示してくれます。
ウェルスナビ独自のサービスのように思うかもしれませんが、「リスク許容度診断」と検索するとたくさんのツールが出てきます。
リスク許容度診断というのは非常にありふれたサービスです。
最適なポートフォリオを自動で構築
ウェルスナビでは、先ほどの診断結果に沿った資産配分をしてくれます。
が、別に自分で配分して購入することもできますし、自分で配分が似通ったバランス型の投資信託を探せばできることです。
バランス型の投資信託を購入すれば、積立金額が少なくても資産配分が容易です。
自動入金
ウェルスナビでは、24時間365日リアルタイムでウェルスナビの口座に手数料無料で資金を振り込むすることができます。
しかし、24時間365日リアルタイムで入金できるというのは、ネット証券のサービスとしては普通のサービスです。
手数料無料というのも普通のことです。
今時、自動入金サービスに対応していない証券会社の方が珍しいのではないでしょうか。
自動買付・自動積立
ウェルスナビでは、毎月自動で最適なポートフォリオで買い付けをしてくれます。
投資信託を積立で購入しても、毎月自動で購入でき、自動で積立できます。
投資信託の場合は、「交付目論見書」に書いてある資産配分どおりに運用商品を購入することになります。
分配金自動再投資
ウェルスナビでは、毎月分配金を自動で再投資してくれます。
投資信託というと毎月分配型が有名になってしまったので勘違いしている人も多いかもしれませんが、実は、どんな投資信託を購入しても、分配金再投資指定をすれば自動で再投資してくれます。
自動リバランス
ウェルスナビでは、毎月資産配分を調整してくれます。
一見新しいサービス化のように書いてありますが、バランス型の投資信託を購入すれば、毎月自動でリバランスをしてくれます。
バランス型の投資信託は、決められた資産配分で投資をすることがあらかじめ決められているからです。
自動税金最適化
ウェルスナビでは、税金の損益通算を自動で行ってくれます。
べつにウェルスナビに頼らなくても、年末に自分で運用状況を確認しながら簡単に行うことが出来ることです。
赤字と黒字を同額発生させればよいだけなので、赤字の運用商品と、黒字の運用商品を同時に売却すれば良いだけです。
このサービスで手数料1%!?
上記のサービスに対して1%の手数料を支払うことになります。誤解を恐れずに言えば、ほぼ詐欺です。
なぜなら、ウェルスナビのサービスには何の付加価値もないからです。
ウェルスナビのサービスとその実態まとめ
ウェルスナビのサービスをまとめてみると以下のようになります。
【ウェルスナビのサービスとその実態】
ウェルスナビのサービス | 実態 |
目標金額とリスク許容度の設定 | 無料でどこにでもある |
最適なポートフォリオを自動で設定 | 自分で出来る |
自動入金 | 既存ネット証券の無料のサービス |
自動買付・自動積立 | 既存ネット証券の無料のサービス |
分配金再投資 | 既存ネット証券の無料のサービス |
自動リバランス | 既存ネット証券の無料のサービス |
自動税金最適化 | 自分で出来る |
自分は元銀行員ですが、金融の世界は、相手の無知につけこんで利益を上げようとするサービス・商品・担当者がはびこる世界です。
ウェルスナビもそうしたサービスの一つと言えると思います。
ウェルスナビで運用するとどれだけ損か?
ウェルスナビで運用すると必要のない1%を支払う必要があります。
この1%は運用成績にどれだけの影響を与えるのでしょうか?
【毎月1万円を25年積立てた場合の運用成績】
利回り | 25年後の運用成績 |
5% | ¥5,955,097 |
4% | ¥5,141,295 |
3% | ¥4,460,078 |
2% | ¥3,888,211 |
1% | ¥3,406,701 |
たとえば、運用成績5%で運用できたとしても、ウェルスナビを使っている場合は1%の手数料を支払わなくてはならないので、4%で運用した場合と利回りは変わらなくなります。
金額にすると、813,802円という金額が手数料のために逸失されることになります。
既存サービスの寄せ集めを「ロボアドバイザー」という隠れ蓑をかぶって新規のサービスと見せかけているだけのウェルスナビに、これだけの手数料を払う価値はあるのか、よく考えることが必要だと思います。
※こちらのサイトで書いたサービス・手数料については「ウェルスナビ公HPWealthNavi(ウェルスナビ)| ロボアドバイザーで全自動の資産運用」を参照して書いてます※