フォレスト・ガンプは1994年に公開された映画で、配給収入38億円のヒット映画です。
「人生はチョコレートの箱。開けてみるまで分からない」の名セリフで有名で、主人公のまっすぐで実直な生き様がこころに残る名作ですが、主人公がその性格と実直さで成功の道を駆け上がる一方で、ヒロインがとことんまで落ちていくのが印象的な作品です。
ジェニーの人生が壮絶すぎる
フォレスト・ガンプのヒロインであるジェニーは壮絶な人生を送ります。
フォレストがどんどんと成功していくのに対し、とことんまで落ちていくヒロインとして、対照的に描かれます。
幼少期は父親からの虐待
フォレスト・ガンプを差別せず受け入れてくれた優しい少女でしたが、5歳の時に母親を亡くしてしまい、父親からの虐待を受けて過ごします。
その後父親は逮捕され祖母の家で暮らし始めますが、幼少期に受けた虐待は、彼女の心にずっと暗い影を残し続けます。
大学を中退
大学に進学したジェニーですが、いつかタレントになることを夢見て活動をします。
しかし、プレイボーイに写真が掲載されたことがバレて、大学を中退させられてしまいます。
ヒッピーの反戦運動に関わる
その後、小さな劇場でストリッパーまがいの仕事を経て、ヒッピーの反戦運動に関わるようになります。
ベトナム戦争から無事帰還したフォレスト・ガンプとニューヨークで再開。
しかし「私とあなたは生きる世界が違うのよ」という言葉を残して、結局フォレストの側から離れていきます。
薬物中毒になり飛び降りを図る
ジェニーの側にはいつも危険なニオイのする男が側にいました。
その影響からか薬物にも手を出すようになり、幻覚症状によって自殺未遂を図ります。
ジェニーはぎりぎりのところで正気にもどり、涙をながします。
フォレストと再開するも再び別れる
フォレストは海老釣り漁で成功し、母の危篤を聞いて故郷に帰り彼女を看取ったあと、故郷で芝刈りをしていました。
そこへジェニーが帰ってきます。
彼らは幼少期と同じように、木登りをしたり、かけっこをしたりして過ごします。
しかし、フォレストと一夜をすごし、男女の関係となった後、再びジェニーはフォレストの前から消えてしまいます。
最終的にフォレストと結婚するも病気で死亡
「フォレスト・ガンプ」の物語は、バス停でバスを待つフォレストが、自分の半生を語ることで進みます。
なぜフォレストはバス停でバスを待っていたのか。
それは、ジェニーに会いに行くためでした。
ジェニーと再開したフォレスト。
ジェニーには子供がいて、名前をフォレストと言いました。
ジェニーとフォレストはようやく結婚します。
しかしジェニーは既に病気にかかっていました。
結婚式からほどなくして、ジェニーは亡くなります。
ジェニーの人生はなぜ不幸だったのか
なぜこれほどまでにジェニーは不幸な人生を歩んでいくのでしょうか?
その理由について考えてみました。
父親の呪縛から逃れられなかった
ジェニーは死ぬときまで、父親の呪縛から逃れられなかったという見方があります。
それは、フォレストとの再会を果たした時、ジェニーが自らの生家に石を投げつけているシーンからも象徴的に描かれています。
ジェニーが死んだあと、フォレストはジェニーの生家を壊します。
彼は、死んでなお、ジェニーが父親の呪縛に縛られてしまうのを恐れたのかもしれません。
神様にもらえなかったものをずっと追い続けた
ジェニーは幼少の時、父親からの暴力からフォレストと一緒に逃げます。
その時彼女は、「鳥になりたい」と願います。
ジェニーはずっと、「鳥になりなかった」女性なのでしょう。
その後の人生において、彼女は常に自由を追い求めます。
それは、「神様からの贈り物を使って、ベストを尽くすのよ」という母親の教えを忠実に守り、与えられた環境でベストを尽くすことを続けてきたガンプとは対照的に描かれます。
「神様の贈り物」についてどのように考え、どのように行動するのか、それによって人生は変わるというのが、「フォレスト・ガンプ」という映画の一つのメッセージのように感じました。