いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

劇場版アニメ「君の膵臓を食べたい」は実写版とどう違う?

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いい歳して「君の膵臓を食べたい」にハマってしまい、映画2回、アニメ2回、小説1回と、同じストーリーを5回もループしています。

月並みな言葉ですが、何回観ても泣いてしまいますね。

ストーリーは完璧に暗記しているハズなんですが。

 

 

劇場版アニメと実写版の違いは?

もともとの小説により忠実に作られているのは劇場版アニメです。

実写版映画は、原作者住野よる氏によると、“足りない部分はあると思うんだけど、映画は映画でよかった。映像の力ってすごいですね”という感想。

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自分も原作を読んでそんな感じがしました。

実写版はヒロインが死んでから12年後の視点から「回想」の形式で描かれており、出てくるエピソードをある程度絞っています。

その代わりに、12年間主人公や親友である恭子の頃に生き続けた存在として、ヒロインの存在感を大きくすることに成功しています。

映画でより泣ける物語にしようとしたら、実写版の手法は良いですよね。

 

劇場版アニメや小説では、ヒロインと主人公のやり取りがより詳細に描かれているので、二人の仲がどのように進展していくのか、二人がどういう風に成長していくのかが、じっくりと見られてよいです。

住野よる氏は、「君の膵臓を食べたい」は、恋愛小説というより、2人の成長物語として書いたと言っているので、そういうところを観たければ実写版よりも劇場版アニメがおすすめです。

 

親友恭子さんなど脇役の存在感がある

実写版の映画では、ヒロインの親友である恭子さんについて、ちょっと存在感が薄い感じがしました。

原作では恭子さんの存在はそれなりに大きく描かれていて、ヒロインがいなくなった後の世界での主人公の成長を助けてくれる役割として存在します。

小説の中ではライオンに喩えられたり、主人公にとって恐ろしい存在として描かれますが、劇場版アニメでもその役割を十分に果たしてくれています。

ヒロインと主人公のやり取りから、主人公が次第に周りと関りを持っていくさま(=主人公の成長)が描かれており、そういう意味でも劇場版アニメの方が原作のテーマにより添った内容になっています。