いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

家電を安く買うなら価格.comじゃなく量販店に行け

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「そろそろ買い替えたいなあ」と思っていたので思い切ってテレビを買い換えました。

別に特別値引き交渉とかする気はなかったのですが、気に入った機種について、いろいろ店員さんの話を聞いていると、けっこう値引きしてくれました。

価格.comだと287,000円だったのですが、それより安い・・。

 

一体どういうことなんだろうと思っていましたが、いろいろ調べている内に分かったことがあったので、今回のブログのテーマにしようと思います。

 

 

ネットで買うのが最安なのか?

家電を安く買うには、ネットで最安値を探して買うのが最安になる。

そう思っている人はすごく多いみたいです。

自分もそうでした。

けれど、先日テレビを買い替えた時に知ったのは、ネットが最安とは限らないという事実でした。

ネットで調べていた値段より、家電量販店の販売価格の方が安かったのです。

 

価格.comが最安とは限らない

価格.comには最安の値段が掲載されていると思っている方は多いです。

自分もずっとそう思ってきました。

しかし、実は、価格.comに掲載されるには、価格.comに出稿料を払う必要があります。

つまり、価格.comの最安値というのは、価格.comに出稿している企業の中での最安値が表示されているだけであって、価格.comが全国の家電販売の値段をくまなく調べて表示されているものではありません。

なので、価格.comの値段は最安とは限らないのです。

 

量販店オンラインが最安とは限らない

では、量販店のオンラインショップが最安なのでしょうか?

これもNOです。

なぜなら、量販店のオンラインショップに最安値を掲載することは、家電メーカーにとっては絶対に避けてほしいことだからです。

 

もし、量販店のオンラインショップに最安値が掲載されてしまうと、量販店同士の価格競争にメーカーが巻き込まれてしまう可能性があります。

「A店で15万円で売っているから、B店でも15万円で販売できるような価格で入荷させてほしい」というような値引き合戦が繰り広げられることになります。

メーカーとしては高く販売してほしいので、このような値引き合戦に参入することはメーカーにとってはあまりメリットがありません。

 

また、量販店としても、最安値をオンラインショップに掲載することは、他のライバル量販店に手の内をさらす行為となります。

値引き合戦に自ら足を突っ込むことになりますから、出来るだけ避けたい話なのです。

 

なぜネットだけで判断してはいけないのか?

家電の価格をネットだけで判断してはいけない理由。

それは、ネットには本当のことを載せないからです。

ネットに本当の値段を載せてしまうと、その値段を中心とした競争が発生してしまう。

他店に対し圧倒的なアドバンテージがあり、他の店には絶対真似が出来ない方法で価格を下げているならばともかく、そうでなければ他店よりも安い値段を積極的に開示していくことは、案外メリットにはならないのです。

 

メーカーが売りさばきたいなら量販店

特に、メーカーに在庫があり、売りさばきたいと考えている商品なら、量販店に買いに行くことがおススメなようです。

もし、あなたがメーカーの立場だったら、売りさばきたいなら真っ先に量販店を頼るでしょう。

たくさんの家電を仕入れて販売してくるからです。

そして、量販店に対しこう言うでしょう。

「店頭の提示の値段は下げないでください。販売交渉時に値下げをしていただいて問題ありませんから」

こういう売り方ができるのも、量販店ならではです。

メーカーにとって、安売りしていると見せるのは、「売れていない」印象を与えかねずデメリットでしかない。

表面上は安売りしているようには見せないで、裏側で値引きをして販売してくれる。

これもまた、インターネットでは出来ない対面販売だからこそ出来るメリットなのです。 

 

1月と7月中旬以降の量販店が安くなる?

よくよく考えると当然なのですが、ボーナスが出る時期が、家電量販店にとっても最大の商戦時期なのですよね。

家電は高いですから、そう簡単にほいほい買えるものではありません。

だから、ボーナスが出る時期が一番需要が高まる時期なのです。

つまり家電量販店にとっては商戦の季節になる。

 

商戦の時期は当然、家電量販店側も値引き合戦をしてお客さんを引こうとしますが、ねらい目なのは商戦の後半戦、つまり1月・7月の中旬以降になります。

このくらいの時期になると、ボーナスで買いたかったものを購入してしまって、お客側の需要はだいぶおさまってきます。

一方で、家電量販店やメーカーにとっては、あまり売れなかった商品が手元に残ることになります。

 

売れなかったというと「あまり良くない商品」みたいに感じますが、売れ残る要因は、値段の高さと客側の懐具合によります。

良い商品だから売れるとは限らないのです。

だから、良い商品が値段やその他経済的要因で売れ残ることはよくあることです。

 

そういった商品を狙って、1月中旬や7月中旬に量販店に行くと、おもわぬ掘り出し物に出会うことがあります。

掘り出し物を見つけるのは簡単です。

店員に「おすすめの商品」を聞くのです。

そうすれば店員は、店側が売りたい商品に案内してくれます。

とくに何も言わなくても値引きも提示してくれるでしょう。