いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

証券アナリストが友人に教えるNISAについて5つのアドバイス

先日TwitterでNISAの制度改正が話題になってました。

NISA拡大を喜ぶ人もいれば、格差拡大につながると懸念する人など、反応は様々でしたが、一人の証券アナリストとして思うのは、NISAの制度を通じて金融について学ぶことは、格差を狭めることはあっても、拡大させるものではないということです。

投資と言うのは、ある意味誰にども平等で開かれた世界であり、工夫と根気と少しの知識をもって臨めば、だれにでも恩恵のあるものです。

今回は、友人に相談された場合、NISAについて私がする5つのアドバイスについて書きました。

今回の記事を通して、ぜひ少しでもみなさんの人生のお役に立てたらと思う次第です。

 

 

一般NISAより積立NISAをすすめる

NISAには一般NISAとつみたてNISAがあるが、基本は積立NISAをすすめる。

というのも、つみたてNISAには3つのメリットがあるからだ。

 

1つ目は非課税枠が800万円なので、一般NISAに比べて200万円非課税枠が大きい。

単純に非課税枠が大きい方がメリットが大きい。

だから積立NISAの方をおススメする。

(金融庁HPより転載)

(金融庁HPより転載)


2つ目はその名のとおり「積立」なので始めるときにまとまったお金が必要ない点だ。

つみたてNISAは毎月33,333円積立することができれば非課税枠をめいいっぱい使える。

 

3つ目は非課税期間が20年で一般NISAより10年間長い点だ。

投資は基本的に投資期間が長い方がマイナスになる確率が低くなる。

(金融庁HPより転載)

 

また、利益も投資期間が長いほどリターンも大きくなる。

 

たとえば以下のようになる。

40万円を10年間5%で運用すると約  65万円(利益25万円、非課税約  5万円)。

40万円を20年間5%で運用すると約108万円(利益68万円、非課税約14万円)。

 

一見すると大きな差がないように感じる一般NISAとつみたてNISAだが、一般NISAより積立NISAの方が金額枠と積立期間の差で実質約4倍くらい非課税効果が違うと言える。

 

毎日1,112円節約する

つみたてNISAをはじめるとなったら、次に必要なのは原資。

つみたてNISAは年間の非課税枠が40万円なので、毎月の投資上限額は33,333円。

一日当たりになおすと毎日1,112円投資資金を捻出すればOKと言える。

やり方はいろいろあるし、収入を増やす方法でも良いと思うが、一番簡単なのは節約なのではないだろうか。

家賃を下げる、格安スマホにする、車をやめる、タバコを止める、コーヒーを止める、自炊にする、お昼を弁当にする・・など、いろんな方法を組み合わせれば不可能ではないと思う。

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米国株式を積立する

次は運用先の選定だ。

運用先は米国株式の投資信託が良い。

もっというと

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が良い。

 

理由は3つある。

1つ目の理由は、今までの投資成績が一番良いのが米国株だからだ。

そもそも、リターンが高いものを選ばないと、非課税にしてもらう意味がない。

米国の企業は他の国の企業より収益性が高く成長が見込める企業が多い。

以下の表から分かる通り、新興国>米国>先進国の順でリターンが高いことが分かる。

(金融庁HPより転載)

2つ目の理由は、積立投資をする場合は、リスクが高い商品の方がリターンが高くなるからだ。

以下に例として2つのリスクの異なる商品の投資成果を貼ってみたので参考にしてほしい。

AとB2つの値動きの違うもので比較すると、AもBも5か月後の値段は同じなのでリターンが同じ商品だが、途中の値動きがAの方が大きい。

このばあい、Aの商品の方を積立しておいた方が、5か月後のリターンは大きくなる。

なお、リスクが高いのが良いからと言ってレバナスや新興国などはお勧めしない。

途中で0になる可能性のあるものを積み立てても意味がないからだ。

なお、つみたてNISAでレバナスは購入できない。

 

3つ目の理由は、数ある米国株に投資する投資信託の中で、

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) が一番信託報酬という手数料が安いからだ。

投資はよぶんなコストをかければかけるほどリターンが減る。

なぜならどんなに成績の良い運用商品でも、平均的な利回りは7%前後だからだ。

たったの7%の利益の中から手数料を払わなくてはならないことを考えると、手数料は絶対安い方が良い。

 

なお、どうしても米国一択というのが・・と思う人は、同じ会社からオールカントリーという商品もあるので検討してみてはどうだろうか。

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クレジットカード積立をする

投資信託の積立にはクレジットカード積立というものがある。

今現在だとマネックス証券がおススメ。

1.1%分のポイントが付くので、年間40万円積立すると4,400円分のポイントがもらえ、アマゾンギフト券や投資信託の購入に充てることができる。

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はじめたらやめない

投資は途中でやめたら成果が減る。

上がったら売りたくなるし、下がっても売りたくなる。

それが投資と言うものだと思う。

でも、基本的には長期で保有すればするほど有利であることは歴史が証明している。

途中でやめるくらいならはじめからやらない方が良いと思う。