最近の子供は軒を知らない子が多いそうです。
昔、家の絵を描くとき、△と☐で書きましたよね。
僕らの世代は、ちょうどキノコのように△が☐から少しはみ出すように書いてたと思います。
最近の子供は△の底辺と☐の一片の長さが同じで、△がはみ出さないように書くそうです。
たしかに建売住宅だと、軒のない家が多いですからね。
なんで存在しているのかイマイチ分からない「軒」
「軒」が無いことによるメリット・デメリットってなんなのでしょうか。
軒ってなんだ?
軒ってなんだって思う方もいるかと思うので、まず簡単に軒の説明を。
軒とは、屋根の端で壁から張り出した部分のことを言います。
軒先で雨宿りするとかっていうシーンが小説とかでたまに出てきますが、屋根の端で壁から出っ張っているので、雨に濡れないわけですね。
下の写真のような、昔からの建物には軒があります。
特に神社やお寺なんかに行くと、立派な軒のある建物が多いですね。
軒無しの家のメリット
最近の建売住宅には、軒無しの家が増えてきました。
というより、ほぼ全部軒のない家になっています。
というのも、軒を無くすことで、以下のようなメリットがあるからなんです。
①建築費のコストダウン
軒を無くすことで建築費を抑えることができます。
建売住宅は少しでも安く家を販売するために、軒のない家が多いです。
逆に、注文住宅の場合ですと、軒があることを高級感のある家のアピールにしているところもあります。
②居住スペースの確保
また、都会の狭小地などだと、軒を延ばしてしまうと隣地に越境してしまうので、軒を伸ばさない、というよりも伸ばせない家が多くなっています。
軒を伸ばさないで、敷地ぎりぎりのところまで家を建てた方が家が広くなるからです。
軒無しの家のデメリット
軒が無くなっても、家が広くなってかつコストダウンできるならいいじゃないかと思う人も、多いですよね。
でも、軒無しの家にすると、いろいろなデメリットがあるんです。
①雨が室内まで降り注ぐ
軒を無くすと、雨が降るとすぐに窓を閉めないと、雨が室内に入り込みます。
雨も上から下へまっすぐに落ちていくわけではないですからね。
天候には注意しておかないと部屋が水浸しになってしまいます。
また、窓を閉めておいても、窓に直接雨が当たるので、雨音がうるさいです。
②室内に日射しが差し込む
夏になると直射日光が窓から部屋に差し込むようになります。
軒があると、軒が太陽光をブロックしてくれるのですが、軒が無ければ直接部屋に降り注ぐことになります。
真夏の炎天下の直射日光を家に居ながらにして浴びなければならなくなります。
③外壁を劣化させる
軒が無いと、雨が外壁に直接当たる率が高くなります。
外壁は雨や風から建物を守る役目を負っていますが、軒のある家の外壁より、軒のない家の外壁の方が風にさらされる量が多くなります。
結果として、外壁の劣化が早くなります。
出来るなら軒を付けるべき
我が家の軒の長さは90cmほどで、一般的な軒の長さだそうです。
一年住んでみると分かるのですが、軒があると、夏に日射しが入り込まないですし、風雨による外壁の劣化が少ないです。
自分の家を建てた時に同時に建った、建売のお家の基礎の部分に雨だれの跡が出来てたりするのですが、我が家は一切そういうのがありません。
基礎に雨だれってことは、基礎にダメージが少なからずあるってことですよね。
毎日通りがけに基礎の雨だれのある家を見るたび、しみじみ自分の家は、軒のある家にしといてよかったと思います。
また、雨が直接窓に当たることが少ないので、雨が降っていても室内がとても静かで、雨が降っていることに気づかないことも多々あります。