いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

鬼怒川温泉廃墟めぐり~変わらない自然と人の世の儚さ~

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鬼怒川温泉の魅力は雄大な自然です。

一方で、人の世の儚さをかんじさせる巨大な廃墟群があることをご存知でしょうか?

 

  • 國破れて 山河在り
  • 城春にして 草木深し
  • 時に感じて 花にも涙を濺ぎ
  • 別れを恨んで 鳥にも心を驚かす
  • 峰火 三月に連なり
  • 家書 萬金に抵る
  • 白頭掻いて 更に短かし
  • 渾べて簪に 勝えざらんと欲す

という杜甫の「春望」を彷彿とさせる景色がそこにはあります。

 

 

鬼怒川温泉廃墟群とは?

鬼怒川温泉には廃墟群が林立しています。

具体的な場所は、「鬼怒川御苑」というホテルから鬼怒川公園駅近くの滝見橋までの間に、足利銀行の破綻が引き金となって2008年から2010年の間に倒産し廃墟となった4つのホテルが林立しています。

 

1999年「鬼怒川館本館」破綻

2008年「鬼怒川第一ホテル」破綻

2008年「鬼怒川観光ホテル東館」破綻

2010年「元湯星のや」破綻

 

廃墟巡回コース

今回歩いて来たのは以下のコースです。

鬼怒川御苑を出て鬼怒川公園駅方面へ歩き、滝見橋を渡り、あさやホテルを見学して帰ってきました。

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まずはじめに見えてくるのは「鬼怒川観光ホテル東館」

かなり大きな建物ですが、ロープが張られ、中には入れなくなっています。

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手前は、鬼怒川第一ホテル、奥側は鬼怒川館本館。

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元湯星の屋。

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滝見橋からの廃墟の眺め

あまりメジャーではないですが、廃墟群を抜けると「滝見橋」という吊橋があります。

廃墟のイメージとも重なって、「この吊橋ホントに大丈夫?」的な怖さがあって、恐怖心倍増です。

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滝見橋を渡りきったところから左手に振り返ると、廃墟群がずらっと並んでいて壮観です。

鬼怒川の変わらない雄大な眺めと共に見ると、人の世の儚さをかんじます。

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「あさや」へぶらり

帰り際には「あさや」を見学。

お土産購入と称して見学させてもらいました。

この「あさや」も一度は破綻寸前まで行ったものの、産業再生機構の力により、なんとか再生したホテルです。

ロビーが吹き抜けになっており、豪華絢爛です。

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「あさや」が廃業しかけた理由は、バブル期の過剰な投資により抱えた債務が重荷になったからと言われています。

このすばらしい吹き抜けが、ひょっとしたら先ほど見たような廃墟になっていたかもしれなかったのですね。

そう考えると、バブルというものの恐ろしさと、それがもたらした後遺症の大きさについて改めて気づかされます。

 

▼鬼怒川温泉廃墟群とバブルについて▼

鬼怒川温泉の廃墟群とバブルという時代 - おっさんズらいふ