リーマンショックといえば自分の投資人生の中で最も大きな出来事なんですが、いかんせん15年も前の話なので知らない人も多くなってきているようです。
個人的には投資をはじめて5年目くらいのことでしたので、大きなショックを受けたのと同時に、すごく勉強になったことが多かったですし、ある意味そのくらいの時期に体験できたことは幸運だったような気もします。
自分がリーマンショックの経験を語っても、聞いた人がすぐに理解できるものでは無いとは思いますが、ここで記載しておくことはこれから投資をするかたや、暴落を経験したことがない人の役に少しでも立つかなと思い、記事にしました。
リーマンショックには前兆があった
リーマンショックは2008年9月に発生するわけですが、リーマンショックの前兆は2006年の年末頃にはすでにありました。
リーマンショックのもともとの原因はサブプライムローン問題です。
自分の記憶では、サブプライムローン問題は2006年末ごろには日経新聞に大々的に一面の記事になっていましたので、投資をしている人ならほとんど全員が知っていた事象でした。
そう、前兆は投資家の人ならたぶんみんな知っていたのです。
ですが当時はそこまで大きな問題という認識はされていませんでした。
今考えても非常に不思議な話で、ローンが焦げ付いてるんだから大問題なはずなのにです。
- サブプライムローン問題がそこまで大きな金額であるとみんな知らなかった
- 前年まで不動産価格の上昇と株価の上昇が続いており楽観的なムードだった
などが大きな理由だと思われます。
サブプライムローン問題の金額の大きさなどは調べたり考えれば分かったような気がしますが、サブプライムローン問題の真相について考えようとする機運は無かったですね。
なんせ米FRBですら局地的な問題で大局には影響しないと(リーマンショックの直前まで!)考えてたらしいですからね。
前兆から発生までの事象
2006年12月:サブプライムローンについて日経新聞が報じる
2007年2月:サブプライムローン関連銘柄暴落
2007年4月:ニューセンチュリーファイナンシャル破綻
2007年8月:パリバショック発生
2008年9月:リーマンショック発生
時系列で考えると恐ろしいのですが、2年前の年末、実は1年半以上前から問題は発生していましたし、幾度もそれに端を発した問題は発生していました。
そしてみんなそのことは知っていました。
でも、みんな大して問題だと思ってなかったのです。
以下の記事を見ていただけると分かると思いますが、記事からはそれほど大きな問題と感じられません(笑)
非常にライトで楽観的なムードをかんじると思います。
ちなみにTOPIXは2007年2月に高値を付けています。
その後株価は下落をはじめますが、リーマンショックが発生するまでは、みんな一時的な下げとしか考えていませんでした。
ちなみに、よくリーマンショックは半値の下げだと思っている人がいますが、日本の場合為替も円高になったので、TOPIXは直近の高値から半分以下の40%ほど(下落率約60%)になっています。(1800⇒700)
株価の予測は不可能だが一つ一つの事象はよく考えよう
リーマンショックの経験から自分が学んだことがあります。
1つ目は、いわゆるニュース記事は馬鹿にせず、きちんと中身を精査した方が良いということです。
人間は自分に都合の良い情報だけ取り入れようとします。
たとえ大きな問題になっていても、希望的観測だけで動こうとするのが人間です。
少なくともそういう行動をしやすいということを認識しておくことだけでも、いざ問題が発生した時に対応しやすいのではないかと思います。
特に当時の自分は考えもしてませんでした。
たとえ答えが間違っていたとしても「考えること」を止めてはいけないと思います。
2つ目は、暴落はいつかやってくるし、やってきたら思考は停止します。
リーマンショックで何が一番深刻だったかといえば、金融機関が疑心暗鬼になり、金融の流れが止まってしまったことです。
当時は自分のような個人投資家だけでなく、プロである機関投資家も大混乱に陥っていました。
リーマン・ショックとはそもそも、2008年9月15日に起きた米投資銀行リーマン・ブラザーズの経営破綻を機に、世界的な金融危機と不況に発展した現象のことで、巨大金融機関への救済措置がとられなかったことで市場参加者に不安が広がり、企業にお金が出回らなくなる信用収縮が深刻化したという事象ですから、よく考えるとどれくらい混乱していたかがよくわかります。
暴落しても冷静でいられる人なんてのはほぼいないのです。
自分だけは大丈夫だと思ったら大間違いで、必ずパニックになると思って対応策を考えておくべきでしょう。