楽天グループが30日に発行するドル建て社債の利回りは10%超と、2019年に起債したドル建て債(3%台)を大きく上回る。携帯事業の基地局整備などに投じた費用は総額1兆円を超え、今後も投資が必要ななか、資金の調達先を多様化する狙いなどがあるようだ。利払いを増やしてでも必要資金を確保する姿勢には「携帯市場の民主化」完遂に挑む楽天Gの覚悟がにじむ(日本経済新聞)
2023年11月に日本経済新聞にて報じられましたが、楽天Gの超高金利社債・・なんか危なそうな気配がありますよね。
個人的には楽天Gの覚悟というよりは、断末魔の叫びのように感じられました。
楽天Gの存続に陰りがみられる中、楽天証券は大丈夫なのか。
気になる方も多いかもしれません。
というわけで今回は、楽天証券が潰れる可能性があるのかについて考えてみました。
楽天証券の格付
楽天証券の格付けはA‐(JCR)という格付です。
A格付の場合、倒産確率は5年で0.25%です。
一つ下のBBB格付になると倒産確率は2.31%になります。
楽天証券はA‐で、ひょっとするとBBBへの格下げ可能性がある状態です。
▼楽天証券の格付けのレポートへのリンクです▼
https://www.jcr.co.jp/download/2d5d9c75b46cdd26cc5171862ad65607bb8ad6276cd85dc800/23d0269.pdf
ちなみにライバルであるSBI証券の格付はA(JCR)で「-」が付いていません。
格付けの観点から言うと、SBI証券の方がやや安心できる水準と言えます。
▼SBI証券の格付けのレポートへのリンクです▼
https://www.jcr.co.jp/download/ac40a5999915a8c6f4a96ea5922a92f95e641a45cc906defce/23d0358.pdf
楽天証券の利益水準
企業の存続の可否は、利益を上げているかどうかによるところが大きいです。
楽天証券の2022年の純利益は9,283百万円。
十分に利益を上げており、現状すぐに倒産することは考えにくい状況です。
▼楽天証券の決算報告書へのリンクです▼
ちなみにライバルであるSBI証券は41,467百万円。
決算時期がちがうので一概には言えませんが実は楽天証券の方が利益は上げています。
▼SBI証券の決算報告書へのリンクです▼
楽天証券の株主構成
楽天証券の株は楽天Gが51%、みずほFGが49%を保有しています。
つまり楽天証券は半分みずほFGに乗っ取られている状態です。
これを良しとするかどうかはともかく、親会社の楽天が危なくなったら即座に楽天証券が危ないかと言われるとそうではないでしょう。
おそらくみずほFGが買い取る可能性が高いのではないかと思われます。
結論:楽天証券は潰れない
楽天の親会社の方は最近雲行きが怪しくなってきたなあと個人的にはかんじます。
しかしながら子会社である楽天証券の方は、格付・収益・資本の3点から考えるに、潰れる要素は無いと思います。
ただ、楽天の親会社がいよいよ傾いてくれば、楽天証券を売却するという話になるかもしれません。
その場合は、楽天証券ではなく別の証券会社として存続していくことになるでしょう。
つまり、楽天証券が潰れるかも・・と過度に心配する必要性はほぼ無いでしょう。
ただし、よその会社が引き継いだ場合、現在のサービスが維持されるかどうかは未知数です。
証券会社が潰れるとどうなるのか?
ちなみに、証券会社が潰れたらどうなるかは、以前記事にしましたので、気になる方はこちらをどうぞ。