いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

新NISAの枠の復活の仕組み

先日このようなポストを見かけました。

自分の場合は長期投資でしばらく売却を考えていなかったので、新NISAの枠の復活についてはあまり気にしてませんでした。

が、せっかくなので新NISAの枠の復活の仕組みについて記事にしてみることにしました。

 

売価ではなく購入価額(簿価)で枠が空く

新NISAの非課税保有限度額は、購入価額(簿価)で管理されます。

そのため、新NISAを売却した後の枠についても当該商品の簿価額分が復活することになります。

つまり、もともと買った時の値段がいくらだったかを基に計算されるということです。

 

事例で考える

上記の話を事例で考えていきましょう。

 

まず、100万円分投資信託を購入したとします。

その投資信託が200万円になったとします。(値上がり率100%)

この投資信託を200万円分全部売却すると、100万円の新NISAの枠が復活します。

⇒200÷(1+1)=100

 

次に、1口50万円の投資信託を2つ購入したとします。

その投資信託が1口100万円になったとします。

この投資信託を2口売却すると、100万円の新NISA枠が復活します。

⇒(100+100)÷(1+1)=100

 

一方で、1口売却すると、50万円の新NISA枠が復活します。

⇒(100)÷(1+1)=50

 

以上のことを一般化すると、以下のようになります。

売却金額÷(値上がり率+1)=新NISA復活枠

 

図示すると、以下のようになります。

上記の一般式に当てはめれば、どのような場合でも同じように計算していくことができます。

 

たとえば・・

100万円分投資信託を購入したとします。

その投資信託が300万円になったとします。(値上がり率200%)

この投資信託を150万円分全部売却すると、50万円の新NISAの枠が復活します。

⇒150÷(2+1)=50

 

分割して購入していた場合

分割して購入していた場合はどうなるのでしょうか?

100万円分投資信託を購入し、追加で100万円分投資信託を購入た場合などです。

 

その場合も先ほど紹介した一般式で計算できます。

たとえば、1口100万円の投資信託を購入し、価格が1口200万円になったときに追加で100万円分投資信託を購入(0.5口分購入)し、すぐに(価格が1口200万円の時に)全額売却した場合を考えてみると、

 

購入価格200万円に対して、利益は100万円なので、値上がり率は50%です。

一般式に当てはめてみると、以下のようになります。

300万円÷(1+0.5)=200万円

 

仮に150万円分売却したら、以下のようになります。

150万円÷(1+0.5)=100万円