生命保険不要論は、YouTubeやネット界隈でよく話題になっています。
が、公的保障の内容をきちんと理解したうえで発信している方は少ないようです。
生命保険は本当に不要なのでしょうか?
生命保険と医療保険は別物
まず、話がややこしくなるので、本記事で「生命保険」と言うと死亡保障をする生命保険を指し、医療保険は含まないことを明記しておきます。
たぶん一般の人は生命保険と医療保険ってほぼ同じものなんだと思いますが、それは生命保険会社がいろんな特約を付けるからごっちゃになっているだけで、本来は生命保険と医療保険は別物です。
生命保険は死亡保障をするもの。
医療保険は医療保障をするもの。
という定義で話をすすめますのでよろしくお願いします。
国民年金・厚生年金の死亡保障
近年ネットなどで話題の生命保険不要論。
その論拠となっているのは、日本の公的保障制度の手厚さ。
国民年金や厚生年金にきちんと加入していれば、遺族補償がきちんと受けられるので問題ないというもの。
この考え方、社労士の勉強をするようになって、ちょっと眉唾だなと思うようになりました。
というのも、日本の国民年金や厚生年金の遺族補償って、基本的に「子供の保護」を目的に作られている制度なんですよね。
たとえば国民年金では遺族年金は子供を扶養していないともらえないですし、遺族厚生年金は30歳未満の子供のいない妻だと5年で打ち切られます。
また、もらえる年金額も、妻と子供一人で、月給30万円くらいの夫が死亡した場合で約140万円弱くらい(内訳、国民年金78万円、子供の加算、22万円、厚生年金40万円)、月額約12万円弱くらいなので、これだけで生活していくのはかなり難しいです。
多くの人にとって生命保険は必要
現行の社会保障制度から考えると、多くの人にとって生命保険は必要不可欠なものになります。
現在の生活費から将来自分が死亡した場合に必要となるであろう死亡保障の金額を割り出し、生命保険に加入しておくことがおススメです。
なお、いくらの金額が必要かについてですが、個人的には、持家でないなら、家を購入できるくらいの金額+1,000万円の生命保険に加入しておき、持家なら、団体信用生命保険+1,000万円くらいの生命保険に加入しておくと良いと思います。
残債0の持家があるならば、公的年金だけでそれなりに暮らすことも可能だからです。