自分は20歳の時に個別株投資をはじめました。
26歳くらいまでは個別株の短期売買をやっていて、勝ったり負けたりでした。
結論から言うと、株の短期売買は儲かりません。
短期的な株価の予想など不可能だからです。
20年間の投資経験で分かったことは、株の短期売買という、不可能なことに挑戦してお金と神経と時間をすり減らすより、きちんと理論をもって長期投資をした方が間違いなく儲かりやすいです。
株の儲けの源泉は何か?
そもそも、株を買って儲かるのはなぜなのでしょうか?
株の儲けは企業が利益を上げることでもたらされます。
企業が利益を上げ、株を買っていれば配当を貰えるから、株は売買されています。
もちろん無配当の株もあるわけですが、そういう株にも価値があるのは、遠い将来に会社が大きく成長し、大きな配当が受け取れることを期待して株を買うわけです。
何の見返りも期待できないのに株を買う人はいないでしょう。
企業の儲けは短期で上がるか?
では、企業の儲けというのは、短期で上がるものでしょうか?
ふつうに仕事をしていれば分かると思いますが、企業の儲けは一朝一夕で上がるものではありません。
毎日毎日、地道な営業活動を続けてはじめて利益が上がります。
逆に、ふつうよほどの不祥事でも起こさない限り大損失が発生することもありません。
そう考えると、企業の価値というのは毎日毎日そんなに大きな変動が起こるものではありません。
価格=価値では無い
にもかかわらず、そういった会社の株価は日々大きく動きます。
毎日1%以上変動することはザラでしょう。
これは株に限ったものではないのですが、そもそも、マーケットに売られているものと言うのは、価値が変動していなくても、価格は大きく変動するものなのです。
たとえば、スーパーで野菜を買う時に、昨日のキャベツと今日のキャベツの味も大きさも産地も変わらないのに価格は違っていたりします。
それは、価格というのは、需要と供給の変化だったり、売り手の思惑や、ライバルスーパーの戦略など、様々な「キャベツの価値」以外の要素で変化するものだからです。
この、価格=価値では無いという考え方は、投資をするうえで非常に重要です。
価格の変動は予想できない
株の短期売買は、価格の変動をもって利益を上げようとすることです。
しかし、毎日の価格の変動というのは、例えスーパーのキャベツであっても、予想するのは難しいです。
というのも、さきほど述べたように、価格の変動要素は、キャベツの価値以外にも、様々な要素が絡み合っているからで、どの要素がどのように影響しているかを分析することはほぼ不可能だからです。
つまりほとんど「運」に左右されることになってしまいます。
もしこの予想が簡単だと思うのであれば、それは短期売買が出来る才能の持ち主だと思います。
価値が上がるのを待つのが投資
一方で、長期投資は株の価値が上がるのを待つ投資方法です。
さきほどのキャベツの例で言うと、ふつうのキャベツではなく、お好み焼きに非常に適した画期的なキャベツが出来たとしましょう。
その場合、そのキャベツの値段は、お好み焼きを作りたい人にとっては価値が大きくなるので、価格はふつうのキャベツよりも高くなる可能性があります。(可能性があるという書き方になるのは、不当に低く評価される可能性もあるからです)
それまでじっくり待ち続けるのが長期投資です。
もちろん、長期投資の場合も「予想」は必要です。
将来その会社は伸びるのか、伸びないのかを考える必要があります。
なので、長期投資をすれば必ず儲かるというわけではありません。
ただし、長期投資の場合は、短期投資のような多種多様な要因を考える必要は無く、企業の価値が上がるかどうかだけで判断できるので、短期売買よりもはるかにシンプルに判断することができます。
企業ごとの価値を考えるのが大変だと思うならインデックス投資をすればよいです。
上場企業全体を見れば、毎年ほとんどの会社で収益は上がっていっているので、平均的には、企業価値自体は上がってきています。
なので、確率的に考えれば短期投資よりは長期投資の方が儲かる可能性は高いです。