SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim米国株式 どっちがいいのか。
なかなか悩む方も多いのではないでしょうか。
2023年4月のランキングでは、SBI証券では人気1位が「SBI・バンガード・S&P500」4位がeMAXIS Slim米国株式となっているようです。
ちなみに私はeMAXIS Slim米国株式に投資をしています。
たしかに経費だけで考えたらSBI・バンガード・S&P500の方がよさそうに見えるのですが、実はよく調べないと分からない差が両者にはあり、それが運用成績に差を生み出しているんです。
信託報酬は
両ファンドともインデックスファンドということで信託報酬は非常に安くなっています。
eMAXIS Slim米国株式の方がじゃっかん信託報酬が安くなっています。
SBI・バンガード・S&P500:0.0938%
eMAXIS Slim米国株式 :0.09372%
ただし、運用報告書における総経費率を確認すると、SBI・バンガード・S&P500の方が0.1%ほど、経費率が低くなっています。
つまり経費の面から言うとSBI・バンガード・S&P500の方が優秀です。
ただ、両者の決算時期は半年ずれているので、その影響はあるかもしれません。
▼eMAXIS Slim米国株式
▼SBI・バンガード・S&P500
実質的な運用益に違いはあるのか?
じつは両ファンドの運用成績には微妙に差があります。
基本的にeMAXISSlim米国株式の方が成績が良いことが多いです。
▼eMAXIS Slim米国株式
▼SBI・バンガード・S&P500
なぜ運用益に差が出るのか?
なぜ2つの投資信託は同じインデックスファンドであるのにもかかわらず運用益に差が生まれているのでしょうか?
理由は非常にシンプルで、預かったお金を99.7%運用に回しているか、99.0%を運用に回しているかの差のようです。
下が、eMAXIS Slimの運用報告書。
投資信託財産の構成のところに99.7%と書かれています。
こちらは、SBI・バンガード・S&P500のもの。
同じく投資信託財産の構成は99.0%と書かれています。
この、0.7%分だけ運用しているかしていないかの違いが、両投資信託の成績を分けている主な要因となっています。
じっさいに検証してみましょう。
上記の説が正しい場合、
eMAXIS Slimの運用益÷99.7×99.0=SBI・バンガード・S&P500の運用益
となるはずです。
たとえば、3年のトータルリターンで考えてみると、
eMAXIS Slimの運用益÷eMAXIS Slimの投資比率×SBI・バンガード・S&P500の投資比率
=22.45%÷99.7×99.0=22.29%(誤差0.01%)
となり、ほぼSBI・バンガード・S&P500と同じ運用益になります。
1年のトータルリターンの場合は、
4.34%÷99.7×99.0=4.30%(誤差0.02%)
6か月のトータルリターンの場合は、
‐3.41%÷99.7×99.0=‐3.38%(誤差0.02%)
1か月のトータルリターンの場合は、
2.62%×99.7÷99.0=2.60%(誤差0.03%)
期間が短くなるにつれて誤差が大きくなりますが、期間を長くなるにつれて誤差は縮まりますので、短期的には別のリスク要因が働いているものと思われます。