ドルコスト平均法より一括投資の方が投資成績が良く、機会損失もないのですぐれている、ドルコスト平均法には意味がない・・みたいなことを言う人、ちらほらみかけますよね。
株価が上がってくると、こういうイケイケどんどんみたいな論調の人が増えますね。
そして株価が下がってくるとドルコスト平均法の素晴らしさが讃える人が増えるわけですが。
まあ一種の風物詩みたいなものなのですが、投資をはじめたばかりだと、やっぱり一括投資の方がいいのかな・・ドルコスト平均法には意味がないのかな・・って思っちゃう人もいると思ったので、今回はドルコスト平均法で投資する意味について改めて確認していけたらなと思っています。
金融機関のポジショントーク
「ドルコスト平均法は意味がない」みたいな話は、金融機関のポジショントークであることが多いです。
金融機関としては、一括でより多くの金額の投資をしてもらった方が手数料が稼げるわけです。
ちまちまと積立されても仕方がないんですよね。
一括で買ってくれた顧客は一括で売却し、また新たな商品を買ってくれる可能性も多く、金融機関としてはありがたいお客様なわけです。
一方で、毎月コツコツと積立をする顧客の方が長く保有し続ける可能性が高く、その分新たな商品を買う可能性も低く、金融機関としてはそこまでありがたいお客ではないんです。
マウント取りたがり屋か情報商材屋
「一括で投資した方が投資成績は良い」「積立投資は機会損失だー」みたいなことをTwitterでつぶやく人もいますよね。
単なるマウント取りたがり屋か情報商材屋なので気にしなくて良いです。
今は株価上がってますからね、一括投資の方が積立投資より儲かるので、自分の方が儲かってるんだぞー、すごいんだぞー、一括投資にした俺えらくね? っていうマウントがとりたいだけです。
そもそも、「一括で投資した方が投資成績は良くなる」というのは半分本当ですが、半分嘘です。
一括で投資した方が投資成績が良くなるのは、結果的に株価が上がった場合であり、同水準だったり下がったりした場合においては投資成績が悪くなることが多いです。
この辺は株価の動きによってそれこそ千差万別なんで、「一括投資の方が良い」と言い切ることはできません。
また、「一括で投資した方が投資成績は良い」と言っても、じゃあその「一括で投資する原資はどうやって得ているの?」という話です。
宝くじに当たったとか、親の遺産が入ったとかじゃない限り、コツコツ貯めてきたお金ですよね。
コツコツ貯めてくるより、最初から積立投資をしておいた方が儲かったんじゃないでしょうか?
コツコツ貯めて一括投資をしようとしている時点で、マネーリテラシーがそこまで高くない人なんじゃないかと思ってしまいます。
コツコツ貯めるときに貯金の代わりに積立投資をする方が機会損失をしないで済むからです。
それをしていない時点でマネーリテラシーが高いわけじゃないので、一括投資はやめた方が良いんじゃないかなと思いますね。
もう忘れたの? バブル崩壊
ドルコスト平均法は意味がないと思っている方に是非思い出してほしいのは、日本のバブル崩壊です。
1990年1月1日に日経平均株価を購入した人は、2023年4月19日時点で、まだ損をしているという現実です。
38,921円が28,606円になっているので、約25%もの損失を抱えているわけです。
30年を超えるという超長期投資をしているのに。
一方で、1990年1月1日から、毎年1万円ずつ日経平均株価を購入し続けた人は、330,000円の投資元本が、618,690円という、約2倍になっています。
アメリカ株なら大丈夫?
結局のところ、当たり前の結論になるのですが、株に絶対はありません。
昨今はアメリカ株がブームであり、自分もアメリカ株に投資をしています。
日本の株はダメでもアメリカ株なら大丈夫。
そんなふうに思う人もいるかもしれません。
しかし、アメリカのダウ平均も過去、ごらんのとおり、1929年に最高値を付けてから、1955年になるまで26年間にわたって低迷した時代がありました。
日本の例もアメリカの例も、どちらも極端な例ではあり、今はバブルじゃないっていう人もいるかもしれませんが、どのバブルの時も、みんな「今はバブルじゃない」って言っていたのです。
株はいつどうなるかはわからないものです。
慢心せず、着実に資産を増やしていけるよう気を引き締めていきたいものですね。