いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

ベアトラップなるものは存在しない

ベアトラップ。

弱気の罠。

罠・・わな・・ワナワナ・・

なんとも怖いイメージの言葉ですよね。

株式投資をはじめたばかりの頃は、こういう言葉に敏感で、

「やばい、大丈夫かσ(゚∀゚ )オレ」

ってなりがちですよね。

 

というわけで今回は、

 

  • ベアトラップとはなにか
  • ベアトラップの原因とは
  • ベアトラップとどう付き合うべきか

 

について書いてみました。

 

 

ベアトラップとは

ベアトラップはマーケット全般で使われる用語です。

相場が下方への突き抜け(ブレイクアウト)直後に上昇方向に価格が反転することを言います。

市場参加者が意識している下値抵抗線などを上回り、さらに下降しそうな相場であるのにも関わらず上昇方向に価格が反転するので、ベア「トラップ」と言います。

たとえば、ダウ平均の下値の目途として30,000ドルを意識していると言われるときに、30,000ドルにタッチした瞬間に価格が上昇方向に反転することを言います。

 

ベアトラップは「予想に反して」いるのか

ベアトラップというので、いかにも「罠」ってかんじですが、株式相場では割とよくある話だと思います。

というのも、株式相場は人間が動かしているので「節目」というものを気にしやすいのですね。

たとえば今回例に挙げたダウ30,000ドルというベアトラップですが、2020年から2回以上発生しています。

 

人間は「下値抵抗線」「年初来安値」「0000万円台割れ」など様々な「節目」を作ります。

じっさいの株式の価値と、これらの節目には何ら関係はないのですが、節目を迎えると何かしたくなるのが人間というもの。

「30,000ドルの節目を超えたら株を買おう」「下値抵抗線を超えたらいったん購入しよう」など、節目に合わせて売り買いを決めている方はかなり多いのではないでしょうか。

このような節目に合わせた人間の行動が、ブルトラップと呼ばれる現象を巻き起こしているのではないかと思います。

 

結論:トラップでもなんでもなく、よくあること

株式投資をはじめたばかりの頃は、株価がなぜ動くのかが良くわからなくて気持ちが悪いので、いろいろな理屈をつけたくなります。

株式相場についてはよくわからないことがほとんどなので、いろいろな人がいろいろなことを言っています。

そのいろいろな考えの中で、自分に都合の良い言説を見つけようとするのです。

 

今回のベアトラップという用語もそういった心理が生み出した(見つけ出した)言葉で、自分の意に反して株価が動いたのは「トラップ」のせいだ。

そう思い込みたい心理が産ませた言葉です。

節目で株価が動くのは当たり前で、予想に反して下がるのもふつうのことです。

理由を考えても利益が上がるわけではありません。

あきらめて、こんなものだと思って株式市場と付き合っていく方が良いと思います。