先日、SNSでやり取りをしていたら、株や投資信託に投資することは危険と考えている人が多くて驚きました。
自分はもう17年ほど株をやっているので、株が危険だとは思わないのですが、世間では「株は危険なもの」「株はうさんくさいもの」と思われているようです。
データで見ても、日本人の金融資産の内、54%が預貯金、14%が株や債券、投資信託なのだそうです。
この割合は自分が大学生の頃からほとんど変わってなく、日本人の大半は、依然として「投資することを好まない」のだということが分かります。
株式投資はうさんくさいのか?
株式投資をうさんくさいと考えてしまう理由。
その原因の一つは株式投資の歴史を知らないことにあると思います。
人は出自の分からないものを嫌がりやすいからです。
株式投資の歴史
株式投資の歴史については、ネットで調べると色々出てきますが、今回の内容に関係するところを分かりやすく述べてくれているサイトがあったので引用します。
(オランダ東インド会社が設立された)当時は航海に出資して、無事に船が戻ってきたら利益を分配し、配当としてもらうというのが株式投資の考え方でした。一航海ごとに出資を募るというプロジェクト的な動きをしていて、イギリス東インド会社も例外ではありませんでした。しかし、オランダ東インド会社は長期的なスパンで確実に利益を得るために、ジャワをはじめいくつかの島にコショウの貿易拠点を作ろうとしました。そこで大きく儲けるためには利益の回収に時間がかかるから、今後のすべての航海を「1事業」とみなし、出資を募ったのです。(中略)
オランダ東インド会社は、「会社は永続するもの」という概念以外に、もうひとつ重要な近代的株式会社の要素を生んでいます。
それは、無限責任から有限責任への切り替えです。「無限責任」だと、仮に航海が失敗して船が沈んだ時、借りた船の場合だと、株主が全額弁償しなければいけませんでした。もちろん超高額なものですから、出資者は支払い能力がある人に限られます。審査も大変厳しく、出資希望者に経済力があるかどうか、わざわざその土地や家を見に行ったとも言われています。こうなると、取引に参加できるのは常に富裕層だけだったため、大きな資金も集まらず、当然ながら株式の取引も活発になることはなかったそうです。
そこで、株式の「有限責任化」が始まります。無限責任の支払い能力を限定せず、広く一般からも出資者を募るようになったので、企業は出資者の審査に時間をかける手間がなくなりました。お金持ちでなくても出資ができるようになり、市場が活性化しました。結果、アムステルダムの取引所では商品、為替、株式、海上保険、先物取引など、いち早くさまざまな金融商品が取引されるようになったと言います。(日興フロッギーより)
「有限責任」という考え方
先ほどの歴史の中で出てきましたが、もとも投資というものは「無限責任」を伴うものでした。
なので、会社が破綻すれば、その会社の負っていた債務をすべてを引き受けなければならなかったのです。
ところが、オランダ東インド会社からうまれた「株式投資」は、投資を「無限責任」から「有限責任」へと転換します。
つまり、自分が出資した分以上の責任は負う必要がない。
100万円投資したら、最悪でも0円になるだけになったわけです。
現在に引き継がれる株式投資の仕組みはこのように、本来は「取るべきリスクを限定する」という発想が取られたことで、大きな発展を見せ、世界中に広がることになるのです。
つまり、株式投資は、リスクを取るべく生まれたのではなく、リスクを限定すべく生まれたものなのです。
本当に危険なものは「投資」ではなく「借入」
ここまで聞くと、「投資」なんて別に大して恐れるものでもなければ、うさんくさいと思う必要もない、むしろよく考えられたシステムだという話になると思います。
じゃあなんで「投資」がうさんくさいものと思われるようになったのか?
自分が思うに、みんなほんとうに「危険」なものが何かわかっていないんですよね。。
ワンルームマンション投資は危険か?
ここで話をちょっと代えて「ワンルームマンション投資」について考えてみましょう。
「ワンルームマンション投資」は危険でしょうか?
これについてはいろいろ意見があると思いますが、自分の結論を言いますと、「現金で買う」のであれば何も危険ではないのです。
現金で買えば、現金を失うだけ、損をするだけなのです。
それ以上でもそれ以下でもありません。
ところが、借金をしてこれを買うとなると話は違います。
借金も返せる借金なら問題ありませんが、返せない借金は自己破産直結です。
これは「お金を返す」必要があるからで、購入したワンルームマンションが収益を産もうが産まなかろうが関係が無いからです。
収益を産まないワンルームマンションだと分かって売却しても、購入した時の値段で売れるとは限りません(むしろ買値以下になることがほぼ100%)
住宅ローンを組むことは危険か?
資産運用をすることと、住宅ローンを組むことの、どちらが危険かと問われれば、間違いなく「住宅ローンを組むことの方が危険」です。
資産運用は「借入」をしてやらない限り「0円」にしかならないのです。
一方で住宅ローンは何らかの理由で住宅を手放さなくてはならなくなった場合、「0円以下」すなわち「借金のみ」を負うことになる可能性があります。
ところが、日本人の大半は住宅ローンを平気で組みます。
自分も組んでいるので他人のことは言えませんが、自分は住宅ローンを組むときには慎重にも慎重を重ねました。
なぜなら株で資産運用することなんかよりも、住宅ローンを借りる方がよっぽどリスクが高いからです。
自分の場合、土地建物の値段の7割だけ住宅ローンを借りて、3割は自己資金にしました。
これくらい自己資金を出せば、何かあった時でも家を売れば返済できると考えたからです。
100%ローンで住宅を買えば、働けなくなってしまったら、売って処分してもローン以下の金額になることがほとんどです。
住宅ローン破綻のほぼすべてがこのパターンと言っても過言ではないでしょう。
もちろん運よく上がることもあるかもしれませんが、それってただの博打ですよね。
信用取引が株のうさんくさいものにした
「株で破綻した」人を見たことはあるでしょうか。
私はお2人お見かけしたことがあります。
お2人に共通していたのは「信用取引」をしていたことです。
「信用取引」とは、「お金を借りて」株を買うことです。
詳しい説明は、ここではめんどくさいので割愛します。
株は残念ながら必ずもうかるものではありません。
ですが、長期投資をすれば、かなりの確率で儲かるものであることは歴史が証明しています。
だから、「現金」で買って上がるのを気長に待てばいいのです。
ところが、「信用取引」をして株価が下がると「追証」を支払わなければなりません。
「追証」が支払えなければ保有している株を売却して借金を返済しなければなりません。
このときすべての借金が返済できればいいのですが、返済できず、借金だけを抱えてしまう人がいるのです。
空売りは証券会社等から株を借り、先に売ります。そして、株価が下がったところを買い戻すことによって利益を得ます。
信用買いの場合は、株価が下がって0円になっても損失は限定的です。信用売りの場合は株価が無限に上昇する可能性があるので、損失の可能性も無限大と言われてきました。(SMBC日興証券より)
信用取引はまじやばい。株価暴落で破産する人がいるたった一つの理由 - おっさんズらいふ