日銀の利上げの影響で、仕組預金を販売する銀行が増えてきました。
仕組預金は普通の預金よりも金利が高いので、見つけるとつい購入を検討したくなりますが、一方で金利が高いってことはリスクもあるんだよな、どんなリスクがあるのかが分からないうちは買えないよな・・という方も多いでしょう。
今回は、仕組預金のリスクはどういうものなのか、仕組預金の成り立ちから、わかりやすく解説してみようと思います。
仕組預金とは?
そもそも、仕組預金とは何なのでしょうか。
端的に言うと、デリバティブ取引が内蔵されている定期預金のことを仕組預金と言います。
デリバティブ取引とは、通貨(為替)、金利、債券、株式などの原資産と呼ばれる金融商品から派生した取引で、原資産の価格に依存して理論価格が決定される金融派生商品の取引のことを言います。
つまり、デリバティブ取引とは、為替・金利・債券・株式などの価格変動の影響を受ける取引であるということです。
仕組預金のリスクとは?
仕組預金のリスクは、組み込まれているデリバティブ取引の種類によって変わります。
たとえば、為替のデリバティブ取引を組み込んだ仕組預金の場合、為替リスクがありますし、金利のデリバティブ取引を組み込んだ仕組預金の場合、金利リスクがあります。
どのリスクが内在しているかについては、商品概要等を読むと分かります。
もし読んでも分からないようであれば、購入は控えましょう。
また、すべての仕組預金は基本的に中途解約ができない仕様になっています。
これはデリバティブ取引を内蔵しているためです。
上の説明書きはソニー銀行のものですが、為替のリスクがあることが分かります。
なお、仕組預金のリスクには、元本割れ(損をする)リスクもありますが、機会損失リスク(本来取れるべきリターンが取れないリスク)がある場合もあります。
まとめると、おもな仕組預金のリスクは以下の通りです。
必ずしもすべてのリスクを内在しているわけではなく、あくまで内在しているデリバティブ取引によるというところがポイントです。
- 為替変動リスク
- 金利変動リスク
- 流動性リスク(中途解約ができないリスク)
- ほかに、株価変動リスクのあるものもある(仕組債など)
主な仕組預金の分類とリスク
仕組預金には主に「為替のデリバティブ取引を内蔵した仕組預金」と「金利のデリバティブ取引を内蔵した仕組預金」の2つのタイプがあります。
それぞれリスクが異なります。
為替のデリバティブ取引を内蔵した仕組預金
為替のデリバティブ取引を内蔵した仕組預金には、円で購入し、為替が円高になると円以外の別の通貨になり、円安になると円で償還されるという仕組預金が多いです。
リスクとしては、為替リスクによる元本棄損リスクがあります。
また、円安になっても円で償還されるため、円安時のメリットは受けられません(機会損失リスク)
このタイプの商品は、満期時に為替が大きな変動はしていないと予想出来るときに購入を検討しても良いでしょう。
金利のデリバティブ取引を内蔵した仕組預金
金利のデリバティブ取引を内蔵した仕組預金は、円で購入し、金利が高い代わりに満期まで中途解約ができず、銀行側からは中途解約が出来る仕様になっている仕組預金が多いです。
この商品のリスクとしては、仮に将来市中金利が高くなっても預け替えができないリスク(機会損失リスク)があります。
金利のリスクなので、中途解約による元本割れは除き、元本割れリスクがないため、比較的リスクの低い商品となっています。
満期まで絶対に解約しない&将来金利が上がらないという予想をしているなら、購入を検討しても良いでしょう。
主な取り扱い金融機関
主な仕組預金の取り扱い金融機関は以下の通り(2023年2月現在)です。
銀行によって預入期間や金利が違うので、比較検討すると良いでしょう。
- 住信SBIネット銀行
- 楽天銀行
- ソニー銀行
- auじぶん銀行
- 東京スター銀行
- 新生銀行