いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

高配当株を買う前に当然考えておくべき2つのこと

高配当株って人気がありますよね。

でも、20年投資をしてきて思うに、高配当株投資って案外難しいんですよね。

ただ配当が高いだけじゃ当然ダメなわけで・・

 

 

配当の高低だけを見て業績を見ないのはダメ

配当6%ってすごい!買おう!ポチ!

一番危険なのはコレ。

配当の高低だけを見て買おうとするパターン。

いちおう確認しますが、今年1年だけ配当が貰えればいいから株を買っているわけではないですよね?

来年も再来年も高い配当が貰いたいから高配当株を買うんですよね?

だったら当然、その企業の来年・再来年の業績はチェックする必要性があります。

 

業績は同業他社と比べてどうなのかを見ましょう。

高配当株によくあるのが、業界内でのシェア(順位)が低いので、株があまり買われてなくて高配当になっているパターン。

業界内のシェアが低いということは、業界内での安定性は劣るということです。

たいていの場合、価格競争力は低いはずです。(今現在成長中の会社を除く)

 

私は20年前、高配当につられて日産自動車の株を購入しました。

日産自動車の株の配当はトヨタに比べて高かったのですが、その後の推移はみなさんご存じの通りです。

ちなみに20年前、日産自動車は3%、トヨタは2%くらいの配当利回りでした。

 

業界の将来性も考える必要あり

業績をチェックすればOKかというと、そうではありません。

もう1点確認すべきところがあります。

それは業界の将来性

業界に将来性がないなら、その高配当株の購入は要検討です。

 

そもそも、業界自体が縮小しているのに、業界内の一企業だけ成長することは考えにくいです。

下に三菱、三井住友、みずほの三大金融グループそれぞれと日経平均株価の推移を示します。

銀行業界は長年の低金利と寡頭競争で収益機会を逸しており、成長シナリオを描けていませんでした。

結果として株価は日経平均から大きく劣後しており、利回りで言うと単純計算で毎年2.5%ずつ劣後してきたことになります。

大小の差こそあれ、業界全体の先行きが不透明な場合、どの企業においても株価はふるわないことが分かります。

まとめ

将来見通し、業績見通しをしないで高配当株を買ってはいけません。

高配当株を購入する目的が永続的な配当享受であるならば、必ず目先の見通し・10年後・20年後の見通しをもって投資することが重要です。

10年後・20年後の見通しなど難しいと思うかもしれませんが、少なくとも「業界」の先行きについてはいろいろな媒体で目にする機会も多いと思います。

もちろんそれを鵜呑みにする必要は無いのですが、業界・企業に将来性があると自分なりの根拠は持っておきたいところです。