いまさらながら「天気の子」レビューです。
天気の子は3回観ました。
新海誠監督のその他の作品も一通り観ましたが、この監督の作品はどれを見ても賛否が分かれるだろうって分かる気がしますね。
それでいて人気作品を出しているのがすごいところですが。
「天気の子」の評価が低い人がいる理由
他の新海誠監督の作品同様「天気の子」も評価が分かれる作品です。
個人的には好きな作品なんですが。
「天気の子」をあまり好きになれないっていう人がいる理由は大きく分けて2つあるようです。
円満エンドではなかった
「天気の子」はハッピーエンドで終わる作品ではありません。
はじめてみたときは、「え、こんな終わり方すんの」的な終わり方でびっくりしましたね。
だいたいの映画の作品は世界が救われる話で終わるのですが、「天気の子」は東京が水没するというバッドエンドで終わります。
このバッドエンドが受け入れられないという人も多いようです。
主人公の行動がありえない
主人公の男子高校生帆高は終始中二病的な考え方と行動をします。
家出、拳銃発砲、警察から逃走、線路を走る・・めちゃくちゃ問題児です。
若いって良いよね・・で済ませられる人ならともかく、犯罪行為を繰り返す主人公を受け入れられない人も多いようです。
最終的に帆高君は世界より陽菜さんを救うことを選び東京を水没させてしまいます。
監督自身も主人公のこの行動は賛否分かれるって思ってたみたいですね。
2回観るとおもしろさが分かる新海誠映画
ふつうの映画ってネタバレするとそれで終わりだと思うんです。
が、新海誠監督の映画は2回目以降の方が面白い。
というか、2回目を観ないと面白さが分からない映画が多いと自分は思っています。
ネタが分かった上でもう一度観たほうが面白いのが新海誠監督の厄介なところ。
「秒速5センチメートル」とか「言の葉の庭」とかはその代表作な気がします。
新海誠監督は、「君の名は。」あたりから1回目でも面白いと思える映画を作る人になったような気がします。
それでも2回観たほうが面白いのは変わりありませんが。。
2回目を観ると分かる陽菜さんの尊さ
そもそも「天気の子」の題名のとおり、この作品の主人公は帆高君ではありません。
そう、天気の子=陽菜さんが主人公の映画なんです。
ストーリー上、陽菜さん視点で進めるとソッコーでネタバレするので、帆高君目線でお話は進行していきますが、、
なので陽菜さん中心で映画を観てください。
陽菜さんは自分が人柱であることをうすうす知りながら、人々の願いにこたえるために晴れ女の仕事を続けます。
また、自分が晴れ女でなくなってからも世界が晴れることを願い続けています。
自分にとっては残酷な世界の秘密を知りながら、世界のために祈り続けるヒロインを中心に物語を眺めるとおもしろいと思います。
2回目を観ると分かる帆高君の意味
そして、ヒロインの尊さが分かると、帆高君の良さも分かるわけです。
ていうか、ヒロインが輝かないと主人公はただの中二病なんですよね。。
- 世界のために自分を犠牲にするヒロイン
- そのヒロインのために世界に背を向ける主人公
っていう構図です。
逆に言うとヒロインが生半可な聖女ぶりだと帆高の行動は???になってしまうのです。
そのためにラストの再会シーンがあり、しかも3年経過している必要があるわけです。
「なんで3年も経ってるねん」そう思った方も多いと思います。
でも、これは陽菜さんをよりよく見せるための演出でもあり、「3年経ってもこの娘、天気のこと願ってるやん(しかもたぶん3年間ずっと願ってるやん)」というところが重要なわけです。