いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

鬼怒川温泉の廃墟群とバブルという時代

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鬼怒川温泉の廃墟群をご存知でしょうか?

バブル期には年間観光客数341万人を誇ったと言われる鬼怒川温泉ですが、バブルの崩壊とともに衰退し、多数のホテルが廃業、その後取り壊されることなく廃墟群となっている地域があります。

なぜ鬼怒川温泉に廃墟群が出来てしまったのか、そして今はどんな感じなのか。

今回は、鬼怒川温泉の過去、そして現在について書いていきたいと思います。

 

 

鬼怒川温泉廃墟群の場所

鬼怒川温泉の廃墟群は、「鬼怒川温泉駅(下地図左)から鬼怒川公園駅(下地図右)へ向かう道すがら見ることが出来ます。

具体的な場所については下の地図に黒丸で囲ってみました。

鬼怒川温泉駅よりも、鬼怒川公園駅からの方が近いですね。

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鬼怒川温泉の廃墟群は、鬼怒川温泉駅から歩いて行って車道沿いに見ることもできますし、鬼怒川に架けられた橋から見ることもできます。

他にも、鬼怒川温泉駅から鬼怒川公園駅に向かう電車の車窓からも見ることができます。

 

鬼怒川温泉廃墟群の状況

下の写真は電車から撮影したものです。

風光明媚な景色の中に突如として現れるので、知らない人は驚くでしょう。

自分も初めて見た際はびっくりしました。

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下の2枚の写真は橋の上から撮られた写真です。

間近で見る写真よりも、橋の上から見た写真の方が栄枯盛衰と諸行無常をかんじられてよりむなしさをかんじさせます。

国破れて山河在り・・

城春にして草木深し・・

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鬼怒川温泉衰退の理由

鬼怒川温泉の衰退の状況は目を覆わんばかりですが、そもそも鬼怒川温泉はどのようにして衰退していったのでしょう。

そもそもの原因は昭和末期から平成初期に発生したバブルにあります。

無理なリゾート開発と過剰融資によるツケが現在の状況を生み出しました。

 

足利銀行の破綻

過剰融資によるツケが表面化したのは、2003年の足利銀行の破綻です。

もともとすでに経営が苦しくなっていた鬼怒川温泉の旅館群は、最後の頼みの綱であった銀行の破綻によってつぎつぎと破綻していきました。

 

1999年「鬼怒川館本館」破綻

2008年「鬼怒川第一ホテル」破綻

2008年「鬼怒川観光ホテル東館」破綻

2010年「元湯星のや」破綻

 

なお「鬼怒川観光ホテル本館」や「あさや」なども破綻していますが、産業再生機構の支援や身売りなどによって廃業を免れています。

 

鬼怒川の魅力を活かせていない

鬼怒川温泉の魅力と言えば風光明媚な鬼怒川の景色でしょう。

鬼怒川の流れの迫力は一見の価値ありだと私は思います。

しかし現状、鬼怒川温泉はその売りをきちんとアピールできているとは言いがたいです。

 

鬼怒川温泉の街自体に魅力が感じられないので、鬼怒川温泉に行っても、ホテルに滞在して、ご飯を食べて、温泉に入る以外の楽しみが見つけられないという人も多いような気がします。

温泉街らしいものもまったくありませんからね。

 

鬼怒川温泉の自然を味わいたいと思ったら、春夏秋は「岩楯大吊橋」「ライン下り」「ラフティング」「龍王峡」などがおススメです。

鬼怒川の自然を存分に楽しむことが出来ると思います。

冬は雪が降ったりするので、旅館で雪と川の景色を楽しみながら、酒を飲んでゆっくりするのが良いと思います。

 

バブルと「鬼怒川温泉」

鬼怒川温泉というのは、いわばバブルそのものを知ることのできる世界だと自分は思っています。

今回ご紹介したバブルの崩壊とともに消え去り廃墟群として残る昭和の残骸。

その一方で、鬼怒川で№1の人気ホテル「あさや」は、バブル感満載の高級ホテルとなっています。

「あさや」ホテルは下の写真のような豪華絢爛な内装で有名ですが、現在にも残るこの豪華絢爛な内装工事による過剰融資を引き金とし、一度は経営破綻し、その後、再生機構の支援を受けて現在まで続いています。

その豪華絢爛な美しい内装と、醜悪奇怪な廃墟ホテル群は、共にバブルが産んだ雌雄一対の遺産なのです。

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