「ふしぎの海のナディア」は1990年にNHKで放送されたアニメです。
「エバンゲリオン」「シン・ゴジラ」で有名な庵野秀明さんが監督を務めていて、「エバンゲリオン」ほど有名ではないものの、当時のアニメの常識を打ち破る名作として、30年経った現在でもファンの多い作品です。
私も未だに忘れられない名作アニメです。
最近Amazonプライム・ビデオでも見られるようになったので、久しぶりに全話通して鑑賞。
いい歳したオッサンが涙無くして見られませんでした。
ほんま5回くらい泣いた。(´;ω;`)
戦争の不条理を描いたアニメ
「ふしぎの海のナディア」って、NHKの子供向けアニメとして作成されてるんですが、内容がちっとも子供向けじゃないんです。
表現の部分は子供向けに若干マイルドにしてる「つもり」なんだろうけどね。
だからアマゾンプライムだと13歳以上推奨になってるんですよね。
いろいろ子供向けじゃない部分はあるんですが、やっぱ一番子供向けじゃないところが、人がよく死ぬ。
「こんな死にます?」っていうくらい、よく死にます。
「天空の城ラピュタ」とかでも死者は出ますが、ラピュタだと基本、話の本筋に関係のある人や、戦闘してる人が死にますよね?
「ふしぎの海のナディア」って、ほぼ本編と関係ない人や非戦闘員でもぼこぼこ殺されるんですよね。
主人公ジャンの父はネオアトランティス(「ふしぎの海のナディア」における悪者)に殺されてるし、マリーのパパとママはネオアトランティスに殺されてるし、ノーチラス号(「ふしぎの海のナディア」で主人公が乗る潜水艦)の乗員も死ぬし。
でも、これが戦争というものなんですよね。
ある特定の誰かだけ死んで、他の人は死なないなんてありえない。
「ふしぎの海のナディア」は、戦争における真実をこれでもかって描きすぎなくらい描いているんですよね。
だから放送後30年経ってもファンが多いんだとおもいます。
第15話はトラウマになるよね
そんな、戦争の不条理をこれでもかって書いちゃった「ふしぎの海のナディア」ですが、特にトラウマになっちゃうくらい真に迫りすぎちゃったのが第15話「ノーチラス最大の危機」。
ネオアトランティスとアメリカ艦隊の罠にハマってしまった「ノーチラス号」。
ネモ船長は有毒ガスの充満がノーチラス号全体に及ぶのを防ぐため、3名の乗員がまだ残る機関室の隔壁(扉)を封鎖してしまいます。
取り残された乗員のフェイトは、はじめは落ち着いた口調で自らの死を受け入れ、ネモ船長への感謝を語りますが・・
この前30年ぶりにみましたけど、よくこれ子供向けで出したよね・・やりすぎ。。
ある意味で非常に教育的なんでしょうけれども、子供がこれ見たらトラウマなるよね。
っていうか、アラフォーやけど改めて見たら泣きそうやったで・・
人間関係が複雑でリアル
「ふしぎの海のナディア」のもう一つの魅力は、他のアニメとは違って人間関係が複雑で人物がリアルなこと。
アニメでよくあるのは、善玉と悪玉の境界がはっきりしていて、善玉はすべてにおいて善で、悪玉はすべてにおいて悪ってかんじで描かれちゃうパターン。
悪い奴は徹頭徹尾悪い・・みたいな。
「ふしぎの海のナディア」の登場人物は、みんなそういう頭のてっぺんからつま先まで善人っていうタイプも、逆に悪人っていうタイプが少ない気がします。
一応善玉悪玉は分かるようになってるんですが、よくよく考えてみると、そうやって割り切れないような気がするというか・・
ノーチラス号とネオアトランティスは敵対しているけれども、それぞれ首領であるネモとガーゴイルはかつての親友で考え方が似ている。
ネモ船長とエレクトラは、親子のような関係なのにお互いに恋愛感情を持っていて実は裏で寝ている。(裏設定なのでアニメには出ないですが)
ナディアは素直で優しいヒロインからほど遠く、わがままで強情で冷たく、今までさんざん世話になってきているジャンを見捨てて浮気に走る。
いやいや子供向けアニメではありえないでしょうっていうか、今までのアニメではありえなかった人間臭い人間関係と性格の人たちがじゃんじゃん出てくる。
あくまで子供向けなので多少マイルドにしてありますが、子供向けっていう制約が合って良かったですよね、なかったらどんな話になっちゃたんだろうっていうくらい混沌とした世界が垣間見られます。
あくまで子供向けだってことで垣間見られるってところでまとめてあるけど、大人になってみたらけっこう考えさせられるアニメだったなあと思います。
子供の頃には見えなかった部分が大人になったら見えるっていうのも、長く愛される理由なのかもしれません。
以上「ふしぎの海のナディアがトラウマになるくらいおもしろい理由」でした。
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興味を持った人はぜひ一度見てみてください。