いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

大手の子会社をおすすめする記事を真に受けてはならない

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大手の子会社ってねらい目でコスパ高いからおススメ。

そんな、まことしやかなウワサがネット上に跋扈しているようです。

一例を挙げると以下のようなものです。

 

  • 子会社から親会社に転籍できる
  • 内定率が高いから大手より受かりやすい
  • 大手並みか大手以上の給与と福利厚生がある

 

私は子会社への出向経験があり、親会社・子会社の内情についてそれぞれ知っているので、ネット上で言われるこれらの件が真実ではないことをよく知っています。

ネット記事に踊らされてしまうのは本人の責任ですが、あまりにも無責任なことが記載されている記事が多いので、今回このような記事を書いてみました。

 

 

子会社から親会社への出向なんてまずない

大手の子会社をおススメする記事でよく見るのがコレ。

子会社から親会社への出向・転籍を狙えという話。

はっきり言おう、そんなことまず起こらない。

確率は1%未満と言っていい。

僕は親会社・子会社両方の会社に所属していましたが、親会社から子会社への出向は多くても、子会社から親会社への出向は聞いたことがない。

そういうレベルです。

 

よく考えてみましょう。

そもそも親会社にとっては、子会社から親会社に優秀な人を出向させなくても、優秀な人材はたくさんいるので、そちらの待遇(出世など)を優先しなければいけない上に、いくらでも優秀な新卒を採用できるので、子会社から親会社に転籍させる意味なんてないのです。

 

内定率が高いから子会社は安易すぎる

内定率が高いから子会社に行こうというのは、めちゃくちゃ安易ですよね。

「そもそも、内定率が高いのが良いんだったら、中小企業でも良いでしょ?」

「なぜ大手の子会社が良いんですか?」

そう言われたときに、何も答えられないなら間違いなく落とされます。

 

そして、仮に合格して入社できたとしても、周りはそういう安易な考え方を持つ人間ばかりということも考えられます。

そういう人間ばかり集まってしまっている会社、、考えただけでもぞっとしませんか?

そして、そんな会社の未来が明るいモノではないことは誰でも分かるのではないでしょうか。

 

子会社の方が親会社より待遇が良いことは少ない

子会社の方が親会社より待遇が良いことは少ないです。

子会社が親会社並みの待遇を得るには、子会社が親会社並みに稼いでいないと無理です。

でも、子会社ってそもそも親会社のあまり儲からない部門を子会社化してるってパターンが圧倒的に多いのです。

だからそう簡単に子会社の業績が親会社を上回ることは出来ないのです。

 

もちろん、子会社の方が親会社より待遇が良いこともありますし、子会社の方が親会社よりも業績が良いこともあります。

でもそうすると、結局、内定倍率は親会社よりも高くなっていることが多いでしょう。

なぜなら、待遇をよくするのは人材を集めるためですからね。

企業も積極的にそういうことを宣伝していくことになります。

なのでそこを狙うとなると、結局、親会社並みの内定倍率を勝ち抜かなくてはならなくなるでしょう。

 

それから、たまに「初任給が子会社の方が大手より多いから待遇が良い」みたいな記事を見かけますが、嘘ですからね。

初任給なんて、大手よりも仮に子会社の方が高かったとしても、生涯年収で考えたら圧倒的に大手が上回ってるに決まってますから。

この辺はちゃんと平均年収と平均年齢をみながら考えないとダメですよね。