いろはにほへと

元証券アナリストのひとりごと

元銀行員が断言 銀行への就職はマジでやめとけ

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銀行へ就職が決まったといえば、親は喜ぶかもしれませんね。

ほとんどの人が銀行の実態をよく分かってないから。

自分は元銀行員ですが、子供が銀行に就職を決めたと言ったら、絶対に「考え直す」ように諭しますね。

ぶっちゃけて言いますが、今の時代、銀行への就職はデメリットしかありません。

せっかく銀行に就職できるくらいの勉強を学生時代にしてきたなら、他にもっと条件の良い企業がいっぱいありますから考え直した方が良いですよ。

 

 

銀行への就職はデメリットしかない

なぜ自分は銀行への就職を否定するのか。

それは、今の時代において、銀行への就職にはデメリットしかないからです。

 

そもそもあなたはなぜ銀行に就職したいのですか?

見栄ですか?

親や友人にすごいといわれたいからじゃないですか?

 

ちょっとでも心当たりがあるなら、以下を読んでいただいて、もう一度冷静に検討しなおされることをおススメします。

 

業績が厳しい

(特に日本の場合)金利が極めて低いので、本業の貸出業務が極めて厳しい状況が続いています。

厳しいって言葉だけじゃ、具体的にわかりにくいかもしれません。

というわけで具体的に考えてみましょう。

 

今の銀行は金利0.5%での貸出なんて今やザラにあります。

なんせ、新規貸出金利の平均が0.584%ですからね。

この辺は日本銀行が統計を出しているから調べればすぐわかりますよ。

金利が0.5%というと、1億円貸出して儲けは50万円。

貸出先がつぶれて回収できない可能性も考慮すると、とてもじゃないですがもうかる商売とは言えないでしょう。

むしろ、貸せば貸すほど実体的には赤字といえるでしょう。

 

そう、銀行は今や全く儲かる仕事ではないのです。

 

給与水準

そんな状況が続いているから給与水準も低くなるのは想定できますよね。

かつては高給取りの代表業種だった銀行ですが、今では大したことはありません。

自分の勤めていた某銀行では、新卒給与は20万円。

課長代理で800万円、課長で1,000万円、副支店長で1,200万円、支店長で1,500万円。

そして50歳で出向し、給与水準は60%ほど下がります。

課長や副支店長以上に上がれるのは3割もいません。

大半の銀行員は課長代理どまりで年収800万円、そして50歳以降は年収500万円です。

この給与水準は高いと思いますか?

 

職場環境

基本的に銀行の職場環境はブラックです。

8時出社で20時退社が当たり前。

そしてもれなくパワハラ上司が付いてきます( ´∀` )

まあそれは自分がたまたま運が悪かっただけかもしれませんが。

そもそもお金を扱う仕事なのでプレッシャーもストレスも半端ないです。

絶対に間違えられない仕事なのでみんな基本ピリピリしてます。

 

それに加えて、先ほど申し上げたように基本的に儲からない仕事です。

そうするとノルマも半端ないことになります。

 

一般的には給与の5倍程度の利益を上げることが求められます。

まあこれはどこの企業でもだいたいこれくらいみたいですが、年収800万円なら4,000万円ですね。

 

あなたが法人貸出担当であれば、貸出金利が0.5%であることを考えると、年間4,000万円の収益を上げるには、年間80億円の貸出が必要になります。

投資信託の販売であれば3%の販売手数料であることを考えると、年間13億円を販売する必要があります。

自分が銀行に居たときのノルマはだいたいこれくらいでした。

 

高い離職率とリストラの恐怖

ここまで見ていただければわかると思いますが、結果として離職率はすごく高いです。

30歳になるまでに同期の半数は退職します。

 

おまけに退職せずに銀行に勤め続けても、業績が厳しいのでリストラ圧力も厳しい可能性があります。

え? 銀行にリストラのニュースなんてあった? と思ったあなた。

まあニュースにはなってませんけどね。

銀行は対面を気にするから、外からは分からないようにリストラするでしょうね。

リストラのやり方なんて色々ありますからね。

出向を増やすとか・・銀行には関係会社とかいっぱいありますから・・。

銀行のリストラ云々はあくまで自分の予測です、が、業績の先行きを考えるとどうなのかは、ご自身でよく考えてみることをオススメします。