もう25年も前になりますが、数少ない女友達?に借りて読み始めた「フルーツバスケット」という漫画。
すごく面白くて夢中になり、(少女漫画なので)本屋で恥ずかしい思いをしながら買って読んでいましたね。
途中で休載期間などもはさんだので、高校生時代に読み始めた漫画でしたが完結時には社会人になっていました。
世界で3,000万部売れたということで、今でも続編や愛蔵版が発行される本作ですが、本当に面白いです。
まだ読んでいない人には、ぜひ一度読んでもらいたいですね。
フルーツバスケットのあらすじ
かなり壮大な話なので、あらすじをまとめるのは難しいです。
第一話の話をまとめると、以下のようになります。
本田透は都立海原高校に通う女子高生。唯一の家族だった母親を事故で亡くし、小山で一人テント暮らしをしていた。ところがそのテントを張った場所は、同級生の草摩由希の一族が所有する土地だった。何とか交渉し敷地内でのテント暮らしを許可してもらおうとしていた時、土砂崩れでテントも失ってしまい、それがきっかけで由希が暮らす同じ一族の草摩紫呉の家に居候することに。居候初日、透は草摩一族の秘密を知ってしまう。彼らは代々十二支の物の怪憑きで、異性に抱きつかれると憑かれた獣に変身してしまうという体質だった。(Wikipediaより)
実はシリアスで重い世界観
「フルーツバスケット」は、はじめはコミカルにはじまりますが、十二支の物の怪憑きである草摩一族の人々は基本的に強烈なコンプレックスや悩みを抱えて生きています。
考えてみれば当然ですが、周囲の人たちが彼らの秘密を知ってしまったとき、「拒絶」であることが多く、それがコンプレックスをさらに大きくさせてしまいます。
本当に多種多様なコンプレックスを持った人物たちが登場するので、物語が進展するにつれて徐々に重苦しくシリアスな展開になっていきます。
この辺の重さに耐えられるかどうかは人それぞれだと思うのですが、最後まで読み通すと「本当に読んでよかった」と思えると思います。
主人公「本田透」のやさしさに癒される
主人公「本田透」がどこまでも優しいです。
え? そこまで肯定的に考えられます? っていうくらい性善説で考えてくれる優しいので、本当にすごい「癒し」を与えてくれる存在です。
こういうヒロインって、意外といそうでいないんじゃないかな。
その優しさが偽善じゃなく嫌味なく、自然に伝わるところがすごいんです。
あまりに優しいと返って気持ち悪いというか、不自然というかそんな風になってしまいがちですよね。
そういう「不自然さ」のない優しさを持つヒロインとして「本田透」は異彩を放っていると思います。
すごく「自然で大きな優しさ」に癒されて感動できます。
中学・高校生くらいの思春期の時に読むのもおススメですが、社会人になって改めて読み返すと主人公の「癒しパワー」に感動しますよ。
もう一度読むとさらに面白い
自分自身は5回以上読み返したかな。
「フルーツバスケット」って1回読むだけじゃなくて、2回読むとまた新たな発見があります。
1回目はお話の「裏」を知らずにドキドキわくわくして読めます。
2回目はお話の「裏」を知って、登場人物の心情を推し量りながら読めます。
3回目は自分の年齢や立場が変わって、新たな発見をして楽しめます。
たぶん元々が老若男女問わず楽しめるようなお話になっているので、何回読んでも新しい発見のあるお話になっているのだと思います。
読み返すたびに新たな発見があるって言うのは、名作の一つの条件かなと僕は思っています。
登場人物ひとりひとりの人格がしっかりと練られていて、お話が重層的に作られているから何度読んでも面白いんですよね。